2022.03.28
湯灌とは故人の身体を洗って清める儀式のことです。故人の旅立ちの身支度と言っていいでしょう。この湯灌は必ずということではないので、行うかどうか聞かれた時にどうすれば良いのか悩まれるご家族もいると思います。この湯灌のマナーについてご紹介します。
【湯灌とは】
湯灌(ゆかん)とは、亡くなった人を棺に入れる前に故人の身体をぬるま湯で洗い清めることです。昔は、遺族や親戚が集まって自宅で行なっていましたが、大変な上に心の整理がついていない時に行うのは精神的にも負担が大きいです。その点から、手や顔を拭く程度にまで簡素化されました。
湯灌は、ご遺体についたこの世の穢れ、苦しみや悲しみ、痛みを拭き清める為に行う儀式だと言われています。
前世での辛いことを清め、疲れを取り、来世を迎える為の大切な旅立ちの準備です。
【湯灌を行う意味】
●衛生上の観点
亡くなった人は、亡くなった時から少しずつ腐敗が進みます。体液の漏れや皮膚の変色が起こります。このようなことに対する処置は病院で行われることがほとんどです。しかし、納棺までに腐敗が進んでしまうこともあります。最後に湯灌を行なってきれいにして体の変化に対処します。
●宗教上の観点
現世での汚れ、悩みや煩悩をきれいに洗い流して、無事に成仏できるようにと願いを込めて湯灌します。故人が来世を迎える為の準備として行い、それぞれが故人を偲ぶ為の大切な時間です。
湯灌は必ず必要なことではありません。病院で亡くなった場合は、看護師によって身体を洗い、整える処置をしてもらえるので湯灌をしなくてもいい場合もあります。
湯灌は、お風呂と同じなのでみんなに故人の裸を見せたくないという理由で湯灌を行わない人もいます。
宗教的な考えを重要とする人や、湯灌を行うことによって故人の死を受け入れる時間として行う人も多いようです。
【湯灌を行う人と所要時間】
湯灌は主に葬儀社のスタッフや湯灌師が行います。希望によっては立ち会っている遺族が一部、参加することもできます。立ち会う場合は、喪服ではなく、平服で立ち合います。遠方から喪服で来た人はもちろん喪服で立ち合っても問題ありません。立ち会いなしを希望することも可能です。
所要時間は、準備や入浴後の片付け、着付けも含めて1時間から1時間半くらいが目安です。
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