2019.12.23
前回まで、年末にしておくべきことから「おせち料理」や「初詣」についてご説明しましたが、今回はお正月行事の内容や由来をいくつかご説明したいと思います。
【お正月の箸とは?】
お正月のお料理をいただく時に使う箸にも意味があることをご存知ですか?
一年の幸せと実りをもたらしてくれる歳神様とお雑煮やおせちを一緒にいただくために、お正月の箸(祝い箸)を使います。
お正月の箸(祝い箸)の両側が細くなっているのは、一方が神様、もう一方は人が使って一緒に食事をするからとされています。
また、お正月の箸は箸袋に入っていますが、箸袋は平安時代の宮中の女官着物の端切れで袋を作ったのが始まりで、庶民に広まったのは江戸時代末期と言われています。
【七草粥】
1月7日の朝、お粥に春の七草を入れて食べることを七草粥と言います。
お正月行事の定番となっていますが、七草粥を食べるのにも意味があります。
⚫七草粥を食べる理由
・無病息災
・長寿健康
1月7日に七草粥を食べるのは、青菜の摂取が不足しがちな時期にしっかりと体に入れるためと、お正月のごちそうで疲れた胃腸をいたわるという意味もあるようです。
⚫春の七草の種類と意味
①せり
水辺の山菜で香りがよく食欲を刺激し、栄養価がとても高い
②なずな
ペンペン草とも呼ばれ、雑草に思われがちですが縁起の良い食材
高血圧・解熱・便秘・利尿作用に効果がある
③ごぎょう
明治時代ごろまで草餅の食材として利用されていた
お茶にして飲み、咳止め・痰きり・むくみなどの効果がある
④はこべら
「繁栄がはびこる」として、縁起が良い植物とされている
利尿作用・止血作用・鎮痛作用
栄養素の豊富な薬草
⑤ほとけのざ
縁起の良い食材
整腸作用・高血圧予防
⑥すずな
「神を呼ぶ鈴」として縁起が良い食材で、「ガブ」のこと
便秘・胃潰瘍・胃炎予防
⑦すずしろ
現在では「大根」としておなじみ
消化不良・二日酔い・頭痛・発熱など他にも効能がある
【書き初め】
年の始めに一年の抱負や目標を書くお正月行事ですが、実は平安時代から続いているんです。そして、書き初めには他にも「字の上達を祈願する」という意味もあります。
1月中旬に神社やお寺で火祭りが行われますが、そこで書き初めを燃やして炎が高く上がると字が上達すると言われています。
【とんど焼き】
とんど焼きとは、1月中旬頃に行われる神社やお寺の火祭りのことを言います。また、「お正月飾りを1月15日に焼いて歳神様を空にお送りする」という意味もあります。
とんど焼きに行くことで学業成就のご利益があったり、火や煙に当たることで一年健康に過ごせると言われています。
また、とんど焼きで出た灰は魔除けや厄除けの力があり、家の周りに撒くと良いとも言われています。
⚫とんど焼きで焼くもの
・門松
・しめ縄
・破魔矢などのお正月飾り
・書き初め
お正月飾りは、丁寧に新聞紙で包んで一般ゴミに出しても問題はありませんが、とんど焼きに持って行って焼いてもらうのが一般的な処分の方法です。
【最後に】
日本のお正月行事は、形を変えながらも現在に受け継がれてきました。こうしたお正月行事を知っておくことは、日本人としての一つのマナーともいえるでしょう。これからも、この良き日本の風習を大切に引き継いでいきたいですね。
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