2022.10.24
前回は、樒がどんな植物で、名前の由来や仏事で使われるようになった理由などについてご紹介しました。
今回は、樒が使われる場面について詳しくご説明します。
仏教の葬儀を執り行おうとしている人は必ず目にする植物です。どんな場面で使われる植物なのか知っておきましょう。
【仏事で樒が使われる場面】
●葬儀会場に飾られる
関西地方では、葬儀会場の門前に樒を飾ることが多いようです。これは、門樒と呼ばれるのが一般的です。
門樒を飾るにあたり、ある程度の広さが必要になります。そのため、最近では紙樒や板樒を選び、門樒を省略する人もいるようです。
紙樒、板樒は葬儀会場で申し込み、その場で金額を支払います。参列する際には、関西地方でも紙樒や板樒の習慣がない地域や葬儀会場もあるので、供花や供え物、門樒を供えることも併せて事前に確認する方が良いでしょう。
門樒に加え、祭壇の両脇後ろに二天樒を飾ります。4つの樒で葬儀会場に結界を張って、亡くなった方を邪気から守るという意味があります。
●供花や花輪の代わりに贈られる
こちらも関西地方では、「供花や花輪より樒の方が丁寧である」という考えがあり、そのために花輪の代わりに樒を贈る参列者が多い印象です。
葬儀に樒を贈る場合は、樒だけで作るのか、生花の中に樒を入れて作るのか、など詳しく明確に希望を伝えることが大切です。
●祭壇に飾る
葬儀会場の正面に遺影やお供え物などを置いて供養する場所が祭壇です。白木祭壇が仏式では一般的でしたが、最近では、生花や造花をたくさん使って華やかにするのが人気です。
樒は白木祭壇と花祭壇、どちらにも使えます。
●末期の水や枕飾りに使用する
仏教では、亡くなる直前に水を与えるという考えがあります。現在では、息を引き取った後に行われることもあります。これを「末期の水」「死に水」と呼びます。
水は割り箸などをつけた綿に水をふくませて与えることが多いですが、割り箸の代わりに樒を使用することがあります。(樒ではなく、菊の葉を使うこともあるようです。)
●棺に納める時に使用する
ご遺体の下に腐敗臭を紛らわすために樒を敷くこともあるようです。
しかし、現在はドライアイスやエアコンなどの性能で腐敗の進行を遅らせることができ、この方法は使われなくなってきました。
●お墓に供える仏花に使用する
葬儀会場と同様、樒だけで供える場合と樒と生花を混ぜてお供えすることがあります。
樒は強い香りがあるため動物や虫避けにも有効なので、外にあるお墓ではお墓を綺麗に保つために役立ちます。
「お香」「場を清める」という意味合いも持っています。
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